第2回 小学生
福原一葉さん
湘南の海のそばに暮らす一葉(ひとは)さんは、まもなく小学5年生。12月生まれでもあり、毎年クリスマスの時季になると、赤いオーバルボックスがひとつ届きます。これは一葉さんが生まれた年からずっと続いている習慣で、お父さんの建築家・福原正芳さんが、松本の「ラボラトリオ」の内装を手掛けた縁がきっかけとなっています。
「赤は大好き。パパもママも『赤はいいよね』って言っていて、家の中にあるちょっとした小物とかにも、赤色があったりします。ランドセルや筆箱も、全部赤。だから友だちも『一葉の色は、赤だね』って言われたりしちゃう」
居間の棚に、ずらりと並んだ赤いオーバルボックスの姿は壮観で、中は一葉さんの私物が収められています。レゴや友人からもらった手紙類に、お菓子の箱や人形が入った巾着袋などなど。お父さんの正芳さんは、「箱に入れる『可能性』をプレゼントしている」なんて言っています。
「普通の箱とくらべて横に広がっていて、いろんなものを入れられるのが好き。横に縫われたみたいなギザギザがあって(「スワローテイル」と呼ばれる、独特な貼り合わせ部分)、きれいだな~って、いつも思います」
友だちの間で“シルバニアブーム”があったから、一葉も持っているけど、『もうすぐ卒業かな』なんてことも思っている。でも友だちが遊びに来たら使っちゃうし、見ているとやっぱり可愛いな」。不定形な家具や椅子なども、ざっくり入れられるのが好きだそう。細かな食器類は、お菓子の缶に入れて。
(プロフィール)
神奈川県・茅ヶ崎に住む小学生。学校では演劇クラブに所属。好きな言葉は「あきらめちゃだめ!」。インスタントラーメンを開発した、日清食品の創業者・安藤百福さんの伝記に書いてあった言葉だそう。
文・田中のり子
写真・大森忠明