第4回 イラストレーター・版画家
平澤まりこさん



仕事柄、住空間で目に入るものは、できるだけ「美しいもの」であって欲しいと考えている平澤さん。そうは言いつつも、暮らしには「雑多なもの」「色も形もバラバラなもの」がつきもの。中でも洗面所まわりは、そういうものが増えがちな場所です。
「ある時期に住んでいた家が、それまではあった『引き出し』が存在しない洗面所だったんです。ドライヤーのコードは目につくので、どうしよう……と考えていたときにふと思いついて、6サイズのボックスに入れてみたらサイズもぴったりで」 
 使うたびに開け閉めするのは面倒に感じるかと思いきや、習慣に組み込んでしまえば、特に気にならなかったそう。それよりもボックスが置かれている様子が何ともいい感じで、鏡の前に立つことが楽しみに。さらにその上には、4サイズのボックスを重ねていました。
「小さいほうには、メイク道具一式を入れています。家のどの場所にもまるごと持ち運べるのがすごく便利で、友人にも真似している人が多いんですよ」
 小さなボックスはすでに10年もの。どちらのボックスも、いい色に育っています。
「年に1~2回ほど、くるみオイルでお手入れしています。いらなくなったやわらかい布にオイルをしみ込ませ、まんべんなく行き渡らせます。少しずつ深い色味になっていくのが、楽しみなんです」



(OVAL BOX #6  サクラ )


こちらは8年前に井藤昌志さんご本人からプレゼントされたボックス。パナソニックのドライヤーと共にいつも使っているヘアケア製品、「イソップ」のバイオレットリーフヘアーバームと「パーフェクトポーション」のヘアーアンドスカルプエリクサーを入れて。



(OVAL BOX #4  サクラ)

アイシャドウやマスカラ、コンシーラー、ベースファンデーションなど、メイク道具一式を収めています。右下の二つ折りの鏡は「貝印」のKOBAKOコスメティックミラーで、10倍に拡大鏡にLEDライトがついた優れもの。「鏡の曲線が、ボックスの内側にピタリとはまるのがうれしいんです(笑)」


(プロフィール)
イラストレーター・版画家。小川糸さんとの共著『ミ・ト・ン』の文庫版が発売中(幻冬舎文庫)。好きな言葉は「気を遣わないで、愛を使う」。あるがままの自分を出し、愛をもって表現していくことが、2020年のテーマ。

文・田中のり子
写真・大森忠明

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