第5回 Roundabout/OUTBOUND店主
小林和人さん




「男は箱好き、女はかご好き」の名言でも知られ、無類の「箱好き」として知られる小林さん。自称「箱愛好家で、入れ子愛好家」。オーバルボックスは入れ子にしてコンパクトに保管できるところも気に入っているのだそう。
「もともとはアメリカのシェーカー教徒の道具なのに、不思議と日本の生活によくなじむ。カレーライスではないけれど、すでに『日本式の道具』と言っても過言ではない存在であるように思います」
 ことさらに主張するわけではないけれど、それでいて適度な存在感がある。裸にしておくのを躊躇するものを、懐深く迎え入れてくれる「よき生活道具」。ご自宅では家族全員の道具として、子どもたちのおやつ類や裁縫道具などを収納しているそう。佇まいの美しさは、単独ではもちろん、重ね置きしたときにより際立つように思うと、小林さん。
「水平・垂直のラインの中に、オーバルの曲線が加わるのがいいんですよね。シャープさの中に、やわらかさが共存している。店でもオーバルボックスを積んでいるところに、横の窓から光が差して静かな陰影をつけるときに、『きれいだな』といつも見惚れてしまいます」 

 


(OVAL BOX #6  サクラ)


はさみは種子島で作られていて鹿児島県の指定伝統工芸品でもある「種子鋏(たねばさみ)」。松陰神社前の焼き菓子店「メルシーベイク」の空き瓶に、糸類を入れて。最近小学生の息子さんがクロスステッチに目覚めて、刺しゅう枠や刺しゅう糸は彼のものなのだそう。



(プロフィール)
東京・代々木上原の「Roundabout」と吉祥寺の「OUTBOUND」オーナー。好きな言葉は、民藝運動を推進した陶芸家、河井寛次郎の「物買ってくる、自分買ってくる」。


文・田中のり子
写真・大森忠明

【お知らせ】
OUTBOUND・Roundaboutでは、4月29日(水)〜5月6日(水)の間、井藤昌志のOval Box とTablewareが多数並ぶオンライン企画展を開催予定です。詳細は、OUTBOUND・RoundaboutのWebサイトをご確認ください。

https://mendicus.com/



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