第8回 編集・ライター
田中のり子さん

 


大きいほうのオーバルボックスを購入したのは、確か吉祥寺「OUTBOUND」が開店したすぐ後の井藤さんの展示のときでしたから、たぶん2009年頃だったと思います。買った当初は、茶葉類を入れる箱として愛用していましたが、最近は、「緑のお薬箱」として、ハーブのサプリメントやチンキ(ハーブをアルコール類にひたし、成分を抽出したもの)、精油(アロマオイル)やフラワーエッセンスなどを収めるのに活用しています。

普通「薬箱」というと、薬局で市販されている頭痛薬や風邪薬、胃腸薬などが収まった箱を思い浮かべる人が多いと思います。けれど「緑のお薬箱」は、化学合成された薬ではなく、自然由来のものだけ、しかも自分の体質や気質に合わせたオリジナルなものをそろえようという考え方でつくられるもの。私の薬箱にも、ハーブのサプリメントやチンキ、精油やフラワーエッセンスなど、植物のパワーを生かしたアイテムが収められています。

特に多くを占めているのが、フラワーエッセンス。花や植物のエネルギー情報を水に転写し、アルコールなどで保存したもので、心のバランスを取り戻すことにより、心身の癒しをもたらしてくれる力があります。イギリスの医師であり細菌学者だったエドワード・バッチ博士によって1930年代に体系化され、その後60か国以上で親しまれています。数年前から勉強を続けていて、自分の心身で試しながら、1本、また1本と増えていきました。小瓶が多いので、楕円の中にほどよい感じに収まります。

最近手に入れた小さなボックスは、お守り入れに。泊りの出張や旅行に行ったときなど、身につけているお守りを外したあと、収めておく箱が欲しいと思っていて、購入しました。

敬虔なシェーカー教徒が愛用していた箱だからでしょうか、シェーカーボックスはお守りや、心にまつわるアイテムと馴染みがいいように感じています。端正で静やかな存在感が、心を穏やかに保つのを助けてくれるように思うのです。

OVAL BOX #6 


右上に多くある小瓶類は、ヒーリングハーブス社のフラワーエッセンス。その隣の緑のボトルたちは、ヤング・リヴィング社の精油。パインとローズマリーをよく使っています。その隣はスイス生まれの「ナリン ハーブオイル33+7」。中世から伝わる修道院のハーブレシピをベースに、33種類の精油と7種類のハーブエキスを配合したもので、頭痛や肩こりのときなどに活用。

中段は、オーストラリアンブッシュ社、FESフラワーエッセンス社、ハワイアンフォレストナチュラルズ社のフラワーエッセンスなど。下段の左の4つはエクレクティック社のハーブサプリメント。花粉症に効果的なネトルや、元気がほしいときに飲むセントジョンズワートなど。


(OVAL BOX #0)


「気」の文字が入った赤いお守りは、秩父の三峯神社のもの。隣は結婚指輪で、右はお世話になった方からいただいた「不思議のメダイ」。この3つは、外出するときは必ず身につけています。



(プロフィール)
衣食住、暮らしまわりの書籍の編集、雑誌のライターとして活動する。からだとこころに関する取材も多く、フラワーエッセンスや漢方について勉強中。著書に『暮らしが変わる仕事』(誠文堂新光社)、『からだとこころを整える』(エクスナレッジ)がある。好きな言葉は「愛・重版・多様性」。「編集者なので、重版という言葉は無条件に大好きですし(笑)、変人や弱者が生きやすい多様性がある社会が、生きやすい世界だと信じてます」。

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