第9回 「チェック&ストライプ」代表
在田佳代子さん

 


部屋のさまざまな場所から取り出してきた、大小さまざまなオーバルボックス。どれも「大切な生活道具」と在田さんは語ります。
「アクセサリーを入れているボックスは、以前はサプリメントを入れていたし、『今度はこれを入れてみよう』と、よく入れ替えもしています。主張しすぎず、どんな部屋にもすっとなじむ。それでいて胸がきゅんとするような可愛さもあるのがすごいですよね」
 
 甘すぎるデザインは暮らしに合わないし、かといってハードで無骨すぎるのも苦手。どちらにもふれない、ニュートラルなデザインであることが、愛用できる秘訣のようです。在田さんがもうひとつ気に入っているのが、持ち運びをするときの手の感触。「木工作品の中でも、井藤さんのオーバルボックスは薄いせいか、見た目よりも軽く感じます。平日は娘家族との二世帯の家、週末は息子家族の家で過ごすことが多くて、化粧品を入れたボックスをそのまま車に積んで運んでいます。そのときの所作、『両手で大切に持って運ぶ』感じも好きなんです」 
 
 今はほとんどメールが中心で、手紙を書く機会も減ってきましたが、手紙グッズをまとめておくと、ふたを開けた瞬間から相手のことを思って集中できる。それも「ふたを開ける」という所作が入るからこそ。日常の何気ないふるまいに、心地よさを与えてくれる。オーバルボックスにはそんな魅力があるようです。


OVAL BOX #5深型)

CHECKSTRIPE」のオンラインで毎年秋に開催している「冬の贈り物予約販売」に合わせ、特注で作ってもらったメイクボックス。深さがあるので、ヘアケア、スキンケア、メイクアイテムがすっぽりと入ります。「ジョン・マスター・オーガニック」のヘアミルクやスタイリング剤、「サンタマリア ノヴェッラ」のハンドクリーム、「SHIGETA」のエッセンシャルオイルなど。「これひとつにすべてが収めることができて、とても便利です」



(OVAL BOX #3)

「これはかなり古いものですね。10年以上前に買ったものじゃないかな」。普段はボタン付けくらいしかしないけど、それでも家族分の服に合わせられるようにと、縫い糸はいろんな色を揃えています。どれも「チェック&ストライプ」のオリジナル。左の和バサミは「CHECK&STRIPE」のオリジナルのもので、刻印が入っています。ピンクッションケースも井藤さんが「CHECK & STRIPE」のために作ってくださったものだそうです。



(OVAL BOX #5)

こちらはお手紙セット。「スマイソン」の便箋と封筒に、「モンブラン」の万年筆、「アーネスト・ライツ」のはさみなどをひとまとめに。鼈甲フレームの眼鏡は、ご主人の伯母さまの形見。「親戚のなかで私だけが顔の幅が合って、譲り受けたものなの。かけると急にマダムっぽくなってしまって(笑)」。



(OVAL BOX #0&#00)

0サイズのメープル材のボックスには、普段使いのアクセサリーたちを。縫い針をモチーフにしたネックレスは「himie」、ルビーのリングは伊藤まさこさんがセレクトしたニューヨークのジュエリーブランド「サトミカワキタジュエリー」のもの。

今はもう作っていない00サイズのボックスには、江籠正樹さんの木彫りのブローチ。「お腹がちょっとぷくりとしているところなど、6年前まで飼っていたラブラドールの愛犬に似ていて、お守りのように箱に入れて大切にしています」


(プロフィール)
チェックやストライプを中心にした暮らしに近い布と手芸用品を扱うショップ「CHECK & STRIPE」代表。好きな言葉は「ラブ&ピース」。子どもの頃、アメリカのフィギュアスケーター、ジャネット・リンが札幌オリンピックの選手村の部屋に書き残したとテレビで見て以来、座右の銘にしている。

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